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- はじめに
- 【図解】過去10年、アクティブファンドはS&P500にどれくらい負けた?
- 10年間のうち9年間で、過半数のアクティブファンドがS&P500を下回っている
- 10年間では97.65%がS&P500を下回った
- インデックス投資とは?
- インデックス投資最大のポイント「時価総額加重」とは?
- 次のAppleやMicrosoftを探す必要がない
- S&P500は企業の入れ替えも行われる
- 「自動リバランス」は少し意味が違う
- なぜプロのアクティブファンドでも勝つのが難しい?
- アクティブファンドにはコストの問題もある
- S&P500とオルカンならどっち?
- S&P500
- オルカン
- オルカンなら「どの国が勝つか」まで予想しなくていい
- インデックス投資は「何もしない投資」ではない
- 「未来を自分で予想する」のではなく「市場の仕組みに任せる」
- まとめ|インデックス投資の強みは「未来を当てなくてもいい」こと
はじめに
「投資を始めるならS&P500かオルカン」
最近では、このような話を聞く機会が増えました。
でも、こんな疑問を持ったことはないでしょうか?
「なぜS&P500やオルカンがいいの?」
「プロが銘柄を選んで運用した方が儲かるんじゃないの?」
実は、ここにインデックス投資の面白いところがあります。
投資のプロが銘柄を選んで運用する「アクティブファンド」とS&P500を比較すると、意外な結果が出ています。
まずは下のデータを見てください。
【図解】過去10年、アクティブファンドはS&P500にどれくらい負けた?
S&P Dow Jones Indicesが公表している
「SPIVA Japan Scorecard」をもとに、
日本籍の米国株式アクティブファンドがS&P500を
下回った割合を年ごとに並べました。
| 年 | S&P500を下回ったアクティブファンド |
|---|---|
| 2016年 | 61.3% |
| 2017年 | 74.8% |
| 2018年 | 46.8% |
| 2019年 | 78.8% |
| 2020年 | 68.4% |
| 2021年 | 80.3% |
| 2022年 | 約53% |
| 2023年 | 66.67% |
| 2024年 | 約78% |
| 2025年 | 89.08% |
※日本籍の米国株式アクティブファンドとS&P500を比較。各年の1年間の絶対リターンに基づく。
出典:S&P Dow Jones Indices「SPIVA Japan Scorecard」
注目したいのは、
10年間のうち9年間で、過半数のアクティブファンドがS&P500を下回っている
ということです。
唯一50%を下回った2018年でも46.8%。
つまり、ほぼ半数はS&P500に勝てていません。
さらに2025年には、89.08%の
米国株式アクティブファンドがS&P500を下回りました。
これは「アクティブファンドはダメ」という話ではありません。
S&P500を上回るアクティブファンドも当然存在します。
重要なのは、
「プロが企業を分析して銘柄を選んでも、
市場平均を上回るのは簡単ではない」
ということです。
そして、期間を長くするとさらに興味深い結果になります。
10年間では97.65%がS&P500を下回った
2025年だけを見ると、S&P500を下回った
米国株式アクティブファンドは89.08%でした。
では、期間を10年間に延ばすとどうなるのでしょうか?
結果は、97.65%です。
2025年12月31日までの10年間では、
日本籍の米国株式アクティブファンドの97.65%がS&P500を下回りました。
逆に考えると、S&P500を上回ったのは、わずか2.35%です。
もちろん、過去の結果が将来も続く保証はありません。
それでも、
「市場平均に10年間勝ち続けることがどれだけ難しいか」
を考えるうえでは非常に興味深いデータです。
では、なぜS&P500のようなインデックスがこれほど
手強いのでしょうか?
その理由の一つが、「時価総額加重」という仕組みです。
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、特定の株価指数に連動する運用成果を目指す投資方法です。
代表的なのが、
S&P500
と
オルカン
です。
S&P500は、米国を代表する大型企業を中心に構成される株価指数です。
一方、「オルカン」の愛称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、MSCI ACWIへの連動を目指します。
米国だけでなく、日本、欧州、新興国など世界中の株式へ分散投資できます。
簡単に言えば、
S&P500=米国の主要企業にまとめて投資
オルカン=世界中の企業にまとめて投資
という違いです。
しかし、両者には重要な共通点があります。
それが、時価総額加重です。
インデックス投資最大のポイント「時価総額加重」とは?
言葉だけを見ると難しそうですが、仕組みは意外と簡単です。
基本的には、
会社の時価総額が大きいほど、指数の中で占める割合も大きくなる
という考え方です。
わかりやすく、3社しか存在しない市場を考えてみましょう。
A社:時価総額50兆円
B社:時価総額30兆円
C社:時価総額20兆円
市場全体では100兆円です。
この場合、
A社:50%
B社:30%
C社:20%
という割合になります。
ここからA社が大きく成長したとします。
株価が上昇して時価総額が大きくなれば、
市場全体に占めるA社の割合も大きくなります。
逆にC社の株価が低迷して時価総額が小さくなれば、
C社の割合も小さくなります。
つまり時価総額加重型の指数には、
成長して時価総額を拡大した企業の存在感が大きくなる
という仕組みが最初から組み込まれています。
次のAppleやMicrosoftを探す必要がない
これがインデックス投資の非常に大きなメリットです。
10年後、世界で一番大きな会社はどこでしょうか?
Appleでしょうか?
Microsoftでしょうか?
それとも、現在はまだ小さな会社でしょうか?
正確に予想することは誰にもできません。
個別株投資なら、
「次に成長する会社はどこだ?」
と考えて銘柄を探す必要があります。
しかし、時価総額加重型インデックスでは考え方が違います。
将来、ある企業が急成長して巨大企業になれば、
その企業が指数に採用されている場合、
時価総額の拡大とともに指数内での存在感も
大きくなっていきます。
つまり、「次のAppleを当てる」のではなく
「次のAppleが成長してくるのを市場の中で待つ」
という考え方ができます。
これが、
「市場そのものを買う」
というインデックス投資の考え方です。
S&P500は企業の入れ替えも行われる
もう一つ重要なのが、構成銘柄です。
S&P500は、
「現在の500社前後を永久に保有し続ける」
という指数ではありません。
指数の基準などに基づいて構成銘柄は変更されます。
企業は永遠に成長し続けるわけではありません。
かつて世界を代表していた企業が衰退することもあれば、新しい企業が急成長することもあります。
個別株であれば、
「この会社はもう売った方がいい?」
「新しい会社を買った方がいい?」
と自分で判断する必要があります。
インデックスでは、指数提供会社が定めたルールに
従って指数が維持・管理されます。
投資家自身が数百社をチェックし続ける必要がありません。
「自動リバランス」は少し意味が違う
インデックス投資では、
「自動的にリバランスしてくれる」
と言われることがあります。
ただし、ここは誤解しないようにしましょう。
時価総額加重型インデックスは、
「値上がりした株を売って、値下がりした株を買って、すべて同じ割合に戻す」
わけではありません。
企業の時価総額が大きくなれば、基本的にはその企業が指数に占めるウェイトも大きくなります。
イメージとしては、
成長して時価総額が拡大
↓
指数内での存在感が大きくなる
反対に、
時価総額が相対的に縮小
↓
指数内での存在感が小さくなる
という仕組みです。
さらに指数の採用基準を満たさなくなれば、
構成銘柄から外れる場合もあります。
これらを個人投資家が一社一社判断する必要がない。
ここがインデックス投資の大きなメリットです。
楽天証券なぜプロのアクティブファンドでも勝つのが難しい?
ここで最初のデータに戻ります。
2016~2025年の10年間では、9年間で過半数の米国株式アクティブファンドがS&P500を下回りました。
さらに2025年末までの10年間では97.65%がS&P500を下回っています。
なぜでしょうか?
一つは、将来の勝ち組企業を予想し続けることが難しい
からです。
今年伸びる会社を当てるだけでも簡単ではありません。
さらに、
来年も当てる。
再来年も当てる。
5年後も当てる。
10年間続ける。
となれば難易度はさらに上がります。
アクティブファンドにはコストの問題もある
もう一つ重要なのが、運用コストです。
アクティブファンドでは、
企業調査
財務分析
銘柄選定
ファンドマネージャーによる運用
売買
などが行われます。
そのため一般的に、低コストのインデックスファンド
より信託報酬などの運用コストが高くなる傾向があります。
たとえば運用そのものでは市場平均と同程度の成績だったとしても、そこから高いコストが差し引かれれば、
投資家が受け取るリターンは低下します。
長期投資では、この小さなコスト差が何年、
何十年と積み重なります。
S&P500とオルカンならどっち?
ここまで読んで、
「じゃあS&P500とオルカンなら、どっち?」
と思うかもしれません。
大きな違いは投資対象です。
S&P500
米国の主要企業へ投資
米国企業が今後も世界経済で大きな存在感を維持すると考える場合に理解しやすい指数です。
オルカン
世界中の企業へ分散投資
米国だけでなく、日本、欧州、新興国などにも投資します。
考え方としては、
「これからどの国が成長するのかわからない」
という人にも理解しやすい投資方法です。
オルカンなら「どの国が勝つか」まで予想しなくていい
これはオルカンの面白いところです。
S&P500では、
「米国」
という国を選択しています。
一方オルカンでは、世界中の株式市場へ投資します。
将来も米国企業が成長すれば、
米国は大きな割合を占め続けるでしょう。
一方、将来ほかの国の企業が大きく成長すれば、
その市場の時価総額が拡大し、
指数に占める割合が変化していく可能性があります。
つまりオルカンでは、
どの企業が勝つのか?
だけでなく、
どの国が勝つのか?
についても自分で予想する必要性を減らすことができます。
インデックス投資は「何もしない投資」ではない
インデックス投資というと、
「初心者向け」
「ほったらかし投資」
というイメージがあります。
しかし、本質は単に何もしないことではありません。
「未来を自分で予想する」のではなく「市場の仕組みに任せる」
という投資方法です。
成長する企業を自分で探す。
売るタイミングを考える。
次の成長企業へ乗り換える。
これを何十年も繰り返すのは簡単ではありません。
だから、
「勝つ企業を探す」のではなく「市場全体を保有する」
という考え方があります。
まとめ|インデックス投資の強みは「未来を当てなくてもいい」こと
最後に、S&P500やオルカンを使ったインデックス投資の特徴をまとめます。
① 時価総額加重
時価総額の大きな企業ほど指数に占める割合が大きくなります。
② 成長企業の影響を取り込める
企業が成長して時価総額が大きくなれば、指数内での存在感も大きくなります。
③ 数百~数千社を自分で管理しなくていい
指数のルールに基づいて構成銘柄などが管理されます。
④ 将来の勝ち組企業を当て続ける必要がない
次のAppleやMicrosoftを自分で探し続ける必要はありません。
⑤ 低コストの商品が多い
長期投資ではコストの違いも重要になります。
そして最後に、もう一度この数字を見てください。
過去10年間のうち9年間
日本籍の米国株式アクティブファンドの過半数が、
各年でS&P500を下回りました。
さらに、2025年末までの10年間では97.65%がS&P500を下回っています。
これは、
「今後もS&P500が必ず勝つ」
という意味ではありません。
過去の成績は将来の運用成果を保証するものではないからです。
それでも、
「投資のプロでも長期間、市場平均を上回り続けるのは簡単ではない」
という事実は、インデックス投資を考えるうえで非常に重要です。
インデックス投資の最大の魅力は、
「未来の勝ち組を当てること」ではなく、
「勝ち組が生まれる市場そのものを保有すること」。
S&P500やオルカンが長期投資で利用される理由は、
過去のリターンだけではなく、この「仕組み」にあるのです。
※本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の商品への投資を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。

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